日本経済政策学会第68回全国大会


駒澤大学で開催された日本経済政策学会第68回全国大会「東日本大震災特別セッション」にて報告。

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政治家の講演も。

松原先生が強調されたように、今回の震災はCrisis on crisis。マクロだけではなく、被災地に立地する水産加工業等についても同様。神戸市長田区に集積しているケミカルシューズ産業も、中国に追い上げられる中で阪神淡路大震災を経験し、二兎を追うことを求められた。

ケミカルシューズ産業の復旧・復興を踏まえて、長期的には、

・集積の再形成、
・その集積をコスト削減型から創造型に転換するために企業・産業をサポートする人と情報の投入(たとえば、High-Tech GründerfondsERVET

が東日本大震災で被害を被った地場産業の復興過程に欠かせないことを提示。量的な問題ではなく、機能、質が重要。

時間の制約もあり、どこまで伝わったかどうかわかりませんが、地場産業にどれだけの困難が待ち受けているのかについてはお話しできました。貴重な機会を与えていただいた皆さまに感謝。


東日本大震災被災地ヒアリング等


2011年4月30日(土)~5月3日(火)の4日間、水産加工業等の地場産業および中小企業の被災状況、復興への課題を把握するために、宮城県気仙沼市・石巻市の被災状況を視察するとともに、仙台市にて商工団体へのヒアリングを実施。

<行程>

*長崎-羽田間以外は全てレンタカーで移動

4月30日(土)長崎→羽田→山形(仙台にて宿泊場所が確保できなかったため山形泊)

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渋滞中の東北道

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PAのボランティアインフォメーションセンター(兵庫県等設置)

5月1日(日)山形→気仙沼→石巻→仙台(仙台泊)

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陸に打ち上げられた漁船(気仙沼)

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陸に打ち上げられた漁船(気仙沼)

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冠水した中心部の道路(気仙沼)

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家人が避難したことを手書きで記した掲示板(気仙沼)

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県道26号(東浜街道)JR気仙沼線松岩駅手前

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県道26号(東浜街道)JR気仙沼線松岩駅手前

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県道26号(東浜街道)JR気仙沼線松岩駅通過後

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全国からの支援へのメッセージ(石巻市JR石巻駅近くの商店街)

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石巻市旧北上川河口付近

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石巻市旧北上川河口付近

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石巻市旧北上川河口中瀬

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石巻市旧北上川河口中瀬

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石巻市に設置された日本財団の造水・給水所

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鹿島御児神社からの眺め(海岸方向)

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同神社対岸の冠水した住宅地

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石巻漁港周辺の水産加工業等集積地

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石巻漁港周辺の水産加工業等集積地

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石巻漁港周辺の水産加工業等集積地

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石巻漁港周辺の水産加工業等集積地

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石巻漁港周辺の水産加工業等集積地

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石巻漁港周辺の水産加工業等集積地

5月2日(月)仙台にて宮城県商工会連合会ヒアリング→仙台空港周辺視察→宇都宮(羽田まで戻れないため)

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宮城県商工会連合会にてヒアリング

(仙台空港周辺は動画にて撮影したため編集待ち)

5月3日(火)宇都宮→羽田→長崎

<備忘録>(あくまで印象・推測。事実誤認あり得る)

・津波の影響もあり、阪神淡路とはニオイがちがう。

・復旧に人・モノ・カネ・情報の全てが不足。特にがれき撤去や泥出しに携わる人。

・住宅はもちろん、水産加工場等の雇用の場、商店街等の購買の場など、生活を支える基礎的な機能の回復に時間がかかる。気仙沼市、石巻市の産業構造を特化係数で見てみると、水産業の値高。

・水産加工品等の市場において、気仙沼市や石巻市の起ち上がりに時間がかかれば、それらの地域を発注先としていた企業の他地域企業へのシフトが懸念される。一部の品目においては喫緊の課題に。供給力を回復させれば良いという論調も見られるが、大きな間違いではないか。起ちあがった際の競争力が問題。もちろん、それをどう高めるのか、具体的な方法について検討が必要。

・気仙沼、石巻ともに、従前の水産加工業等は職住混在もしくは職住近接の空間構造。何故そうなっているのか。もし空間構造が企業活動に正の影響を与えていたなら、内陸部に暮らし沿岸に通うという職住分離は難しい。

・地域復興の大まかな道筋が見えなければ、土地の制約等から産業の復興も難しい。

・阪神淡路との違いが強調されているが、産業復興に関する課題等についてはほとんど同じではないか。教訓を活かすべき。

・帰崎後、テレビを見て、番組のおめでたさに気分が悪くなる。自粛には反対だが、もっと真剣に生きなければならないのでは。